NFTって何?
最近よく見かける「NFT」とは一体なんなのでしょうか?
2021年9月、日本の小学3年生の男の子が自由研究で制作したNFTアートが約240万円で購入されて話題となりましたね。
NFTとは?
NFTとは、「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると『非代替性トークン』となります。
非代替性とは、『替えが効かない』という意味です。トークンとは、『データや通貨、モノ、証明』などの意味があります。
NFTは唯一無二であることを証明できる技術ということです。
非代替性トークン
非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称: NFT)とは、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位である。NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルなど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけられる。代替可能性(英語版)(英: fungibility)がないという点で、NFTはビットコインなどの暗号通貨とは異なる。NFTは、関連づけられているデジタルファイルなどの真正性や所有権の証明に利用可能であると言われているが、NFTによって保証・譲渡される法的権利は不明瞭な可能性がある。また、NFTには、関連づけられているデジタルファイルの共有や複製を制限する機能は存在せず、ファイルの著作権を必ず譲渡する訳でもなく、同一のファイルに関連づけられた別のNFTを無制限に発行可能である。2022年現在、NFTは主に投機資産として利用されているが、ブロックチェーンのトランザクションの検証に伴う電力消費とカーボンフットプリントへの懸念、および美術品詐欺などの悪徳商法に頻繁に利用されていることから批判されており、一部には「NFT市場の構造はポンジ・スキームやネズミ講・マルチ商法と類似しており、人為的に価格が吊り上げられている」と指摘する声もある。
Wikipediaより
NFTの必要性
なぜ唯一無二であることの証明が必要なのでしょう?
人は唯一性や希少性のあるのものに価値を感じるからと言われています。
実際に手にすることが困難なインターネット上にある情報は、コピーされたり改ざんされたりとリスクが伴うので、その価値を証明することが難しいという問題があります。
ネット上でにアップした、オリジナル音源や画像、動画は、誰でも簡単にコピーできてしまいます。そのため、著作権の侵害など、価値あるものが正当に評価されにくくなってしまいました。
デジタルで作成されたものには、本物と偽物の区別がつきにくいです。
その区別を可能にし、正真正銘であることを証明するためにNFTと言う技術が生まれました。
NFTがあれば、本物と偽物を区別することができます。
またNFTによって、今までできなかったデジタル作品の楽しみ方や、ビジネスが生まれるようになりました。
NFTによる価値とビジネス
NFTによるビジネスとはどんなものがあるのでしょうか?
例えばスポーツ選手の「決定的瞬間」を撮影した写真には価値が存在します。しかしネット上で、その「決定的瞬間」の写真を、アップしただけでは、誰もがコピーして所有できてしまいます。
これだと「決定的瞬間の価値」が無くなってしまいます。
NFTを導入した事例
アメリカのプロバスケットリーグであるNBAでは、『NBA Top Shot』というNFTを利用したサービスを開始しました。
NBA選手による名シーンをデジタルトレーディングカードで所有できるというサービスとなります。
これにより、NBA選手のデジタルトレーディングカードは、NFTによって本物と区別される唯一無二の価値を持つようになります。またファンが所有する喜びを感じる、さらにファンの間では売買も可能になります。
NFTの注意点
NFTは、データそのものを所有できるわけではありません。データを所有する権利を与えられるだけとなります。
NFTによって、自分が、そのデジタルデータ(デジタル作品)のオーナーであるという証明はできます。しかし、実際のデータはどこかのサーバーに保管されているので、手元のパソコンやスマートフォンで保存できるのではありません。
デジタルデータは実体がないため、法律で守られた『所有権』はありません。
音楽や映像などの『著作権』がNFTで譲渡されるわけでもありません。
またNFTはブロックチェーンによって改ざんされたり消えてしまうことはありませんが、デジタル作品の実データはNFTに紐づいているだけの場合が多いです。そのため、改ざんやコピー、消去されるリスクがあります。
デジタル作品が保存されているサーバーがクラッシュすれば、ブロックチェーン上のNFTだけが残ります。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、一度作られたデータを二度と改ざんできないようにする仕組みです。
データを小分けにして暗号化し、それを1本のチェーンのように数珠つなぎにして、世界中で分散管理されています。そのため、コピーしたり、改ざんしたり、データが消えたりすることがありません。
第三者がブロックチェーンに保存されている大切なデータを攻撃しようとしても、それは世界中に分散されたデータの一部でしかないために、変更を加えることは不可能となります。
このように、NFTにはブロックチェーンの技術が使われていますので、NFTの情報は第三者が勝手に書き換えることができません。
このNFTの技術により、デジタルデータのオーナーの証明が可能になりました。
NFTのメリット
デジタル作品の売買ができる
これまで価値の証明が難しかったデジタル作品の売買ができます。デジタルな作品を作る人にとっては、収入源を確立することができますし、デジタル作品を投資目的で買う人が増えれば、大きなマーケットとにもなります。
事務手続きや書類のやりとりを省略できる
従来の契約では、第三者を仲介者にしたり、複雑な書類をやりとりする必要があります。
しかし、NFTを利用すれば、ブロックチェーンの技術により信頼が担保されます。スマートコントラクトによって確実に契約が実行され、価値の移転が行えるからです。
不正や改ざんができない
NFTを利用することで、デジタル作品の価値をNFTがブロックチェーンによって証明することができますので、不正や改ざんを起こすことはできません。
NFTを利用することで、デジタル作品の価値がしっかりと保護されます。
NFTのデメリット
データそのものが手に入るわけではない
NFTで取引されるデジタル作品は、多く場合、データそのものを入手できるわけではありません。ほとんどがその所有者としての宣言がNFTによってできるだけです。
デジタル作品に限りませんが、すべての著作物は著作権によって保護されています。NFTを所有したとしても、著作権が譲渡されるわけではありません。
仮想通貨の変動の影響を受ける
NFTはオークションにかけたり、転売をしたりすることも可能ですが、その際にやり取りする仮想通貨の価値が急落すると購入した値段よりも著しく下がってしまう可能性があります。
また、NFT市場そのものが過熱している時に買ったデジタル作品は、ブームが落ち着くとその値段は下がってしまうかもしれません。
手数料が高まる可能性あり
NFTの売買において、イーサリアムなどの仮想通貨を利用する場合、ガス代と言われる手数料が発生します。この手数料は変動しますので、購入するデジタル作品によっては値段よりもガス代の方が高くなってしまう場合もあります。
NFTの取引には、ガス代も含めた価格を想定する必要があります。